埼玉県郷土史

大正15年9月20日発行
著者:鯨井寅松
国立国会図書館デジタルコレクション永続的識別子:
info:ndljp/pid/924862

明治天皇の御巡幸

明治天皇
明治天皇

明治二年六月に県内の各藩は廃されたが此の時僅に飯能の戦の外は殆んど何事もなかった。四年始めて大宮県を置き後に浦和県又は埼玉県(始め岩槻に置き六年浦和に移る)と改め九年熊谷県と合併して十八郡となしたが二十九年に九郡に改めた。

畏くも,明治天皇は明治六年に氷川神社に詣でさせ給ひ、八年奥羽地方へ御巡幸の際には南埼玉郡蒲生村で田植を御覧遊ばされ北葛飾郡行幸村では堤防の功を嘉みせられた。十一年に車駕を浦和町に駐めさせられて師範學校の授業を御覧ぜられ、十六年四月には近衛の演習を御統監のため飯能町天覧山にお出遊ばさる。又廿一年には浦和町に行幸あらせられて師範生の教棟を天覧あらせられ廿九年には演習御統裁のため北葛飾郡幸手町に行幸あるなど有難きこと極りない。

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